2018年1月16日火曜日
海外の人と仕事を進めるノウハウについて
【ニュース】
Intercultural communication is used to describe the wide range of communication processes and problems that naturally appear within an organization or social context made up of individuals from different religious, social, ethnic, and educational backgrounds.
訳:異文化コミュニケーションは、異なる宗教や社会、民族、そして教育環境が生み出す課題やコミュニケーションのプロセスを幅広い視野でとらえて使用される言葉である。(ウエキペディアより)
【解説】
海外の人とどう働くかというテーマを考えるとき、まず海外の人が日本人と仕事をするにあたって、どのような点に不満を持っているかを知っておく必要があります。
今まで内外を含め、4000人の企業エグゼクティブに対して、いかに日本人が海外で仕事をし、海外の人がいかに日本人と業務を共にするかというノウハウについて研修をしてきました。
その中で、海外の人が口を揃えて語るのが、日本人と情報を共有することの難しさでした。しかし、このことを日本人側に伝えると、十分に説明してあるのにどうしてだろうと首を傾げます。
一方、日本人は海外の人に対して、品質管理が雑で、物事の締め切りをまもらないと不満を言います。完璧な準備を求め、その上で仕事を進めたがる日本人からしてみると、まず動きながら調整をして仕事を進めようとする海外の人のビジネス文化に馴染めないのです。
一口に海外といっても、アジア諸国もあれば欧米もあり、そのビジネス文化は多様です。日本人が知っておかなければならないことは、日本人の仕事のやり方も、その多様なビジネス文化の一つに過ぎないという事実です。日本だけが特別でもなければ、仕事への取り組み方が秀でているわけではないのです。
ここで、考えたいのは二つの異なる方策です。
一つは、海外の人を海外からということで特別に意識するのではなく、同僚として仲間に受け入れてゆくことです。つまり、このことは日本人だけの機微の問題だからといって海外の人に情報を選んで伝えることは控えたいのです。情報をうまく共有するには、主観ではなく、客観的にその情報に背景やロジックを説明する必要があります。阿吽の呼吸ではなく、できるだけ詳細に理由や状況を伝える必要があるのです。
そしてもう一つは、海外の人の文化背景や、ビジネスコミュニケーションの方法への理解と尊重の精神を養うことです。つまり、最初に日本の事情をオープンに共有し、日本の職場で「ガイジン」として相手を分け隔てするのではなく、同時に、海外から来た人の背景を尊重するという二つの異なるアプローチを共有させることが必要なのです。
先にも触れましたが、ビジネス文化は、欧米とアジアでは著しく異なります。また、欧米でも、一例を挙げれば、ドイツとアメリカとでは水と油といってもいいほど、コミュニケーションの方法が異なります。
であれば、海外の人とうまくコミュニケーションをして、ビジネスを進めてゆくための方程式は存在しないのです。
ただ、一般的にみて、日本人は海外の人よりも詳細な質問や確認を相手にすることを遠慮しがちです。異文化環境では、相手と理解し合っているかを積極的に確認しない限り、誤解が累積するのです。また、仕事の途中で、うまく進んでいるかどうかを、具体的に伝え合うフィードバックを怠りがちです。日本語環境でのコミュニケーションスタイルは、英語に比べると、自らの意図を間接的に相手に伝え、一をいうことで十を理解してもらおうとしがちです。これが情報共有の不足へと繋がってゆくのです。
つまり、相手のコミュニケーションスタイルにいかに対応するかを、その人が所属する文化への理解を深めながらノウハウとして蓄積してゆかなければならないのです。その上で、日本人のコミュニケーションの方法を相手と共有しなければならないのです。
問題は、日本人が自らの文化について、それがあまりにも日常的なことなので、客観的に理解し、説明できないことです。
そのためには、彼らから積極的にフィードバックを受けることも必要です。彼らがどのように我々のことを思っているか、満足しているのか、あるいは誤解していないのか、常に言葉で確認するのです。この「言葉」で確認するという行為を繰り返すことで、お互いの意思疎通が促進されます。
異文化環境では、こちらがおかしいなと思っているときは、必ず相手も疑問に思ったり不快に感じたりしているはずです。お互いにしっかり仕事をしてよい結果をだそうとしながら、コミュニケーション文化の違いに気付かないために誤解が拡大するのです。
オープンに意見を交換する中で、試行錯誤を繰り返し、双方が歩み寄るフェアな環境を創造する必要があるのです。
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