2026年6月13日土曜日

Cologne Cathedral


Whenever I see Cologne Cathedral, I feel I have arrived in Germany. It was from the train window heading Frankfurt after crossing the border.

2026年6月9日火曜日

日本を映す鏡としての円安現象


 Here’s the uncomfortable truth: Japan’s longer-term yields have been rising, but - on a risk-adjusted basis - that rise isn’t nearly enough to stabilize the Yen. Another way to say this: markets think risk of a debt crisis is rising sharply. Yen depreciation won’t stop until yields are allowed to rise far more, forcing the government to pursue fiscal consolidation and bring down debt. Japan needs to stop being in denial.

訳: ここに、耳の痛い真実がある。日本の長期金利は上昇しているが、リスク調整後のことを考えれば、その上昇幅は円相場を安定させるには到底不十分だ。つまり、市場は債務危機のリスクが急激に高まっていると判断しているのだ。金利が大幅に上昇し、政府が財政再建を迫られ、債務を削減するまで円安は止まらない。日本は現実から目を背けるのをやめるべきだ。(経済学者:Robin J Brooksの論文より)

今、円安によって海外への渡航費などもままなりません。この円安をドルなどとの金利差が原因であるとする見方はすでに疑われています。イラン戦争などの政情不安が円安を加速させるという人もいますが、その人は10年前まで、円は安定した通貨として有事のときには買われていたことを忘れています。
我々は、円安の原因は明らかに日本の国力そのものへの警鐘であるということを知っておくべきです。
4年前のこと、現在の円安が進行し始めた頃、ある大手銀行の支店長が、
「この円安にはとてもいやな臭いがしているんです」
と語っていたことを思い出します。

円安への政府の介入のための準備資金は100兆円だといわれています。それを5兆円ずつ小分けに使用して市場介入を行なっています。しかし、それで一時的に数円の円高に振れても、すぐに円安へと揺れ戻してしまいます。
株価が高騰していることがプラス要因だとも言われますが、円安であれば、一般の投資家は米国株を買えば高くつき、それが海外での株高との相乗作用で国内の株価を釣り上げています。
しかし、一方で物価高による物資の高騰で住宅やビル建設の勢いが極端に鈍っていることも気になります。建築産業の低迷は必ず景気の低迷につながるからです。特に、中国マネーが投資目的で日本の高層マンションなどを買い漁るという現象も過去のものとなりそうです。理由の一つは中国経済そのものの低迷のために中国の投資家が日本の不動産に投資した物件を資金化してその穴埋めに使い始めているからです。つまり、購入したマンションが売りに出されているわけですが、買い手がつかない場合不動産価格のバブルが弾ける可能性もあるのではないでしょうか。

人間は自発的に自らの行動変容をすることが苦手です。歴史を振り返っても大きな転換点の直前まで、大多数の人々は今の状況が明日も続く前提で生活をしています。明治維新のときも、昭和20年8月15日でも同じでした。バブル経済が弾けた時も日本が今のようになっていることを予測した人はいませんでした。というよりも、今でも日本がバブル経済の頃のように世界をリードしている国であると思っている人も多いのではないでしょうか。
円安の原因は国の膨大な債務超過にあるという事実から目をつぶってはいけないというのが、今回のヘッドラインの骨子です。
財政再建を行い、税収を増やすには、円安によって日本に投資された資金で日本企業が果敢にイノベーションを行い、内需をも含む業績を好転させ続けることが必要です。得た資金をリスク回避のための資産に組み込むだけで、バランスシートだけを気にしていてはだめなのです。

ここで、気になるのは教育です。
AIの進化や円安による経済環境の変化がこれから社会にどのような影響を与えるか不透明な中で、教育現場での進路指導はいまだに有名大学を出て一流企業へ就職することを前提とした指導に終始しています。
企業も、人材獲得の主軸を新卒の採用に置いたままで、そこに大胆なメスを入れようとはしていません。面接の方法や、新人教育の内容の変化など、小手先の改革は行なっても、30年後の日本を見据えた抜本的な人材育成には教育現場も企業の人事政策もあまりにも後手に回っています。

ある高校で英語の教師を集めて今の英語教育について意見交換をしたことがありました。その時に、英語でのコミュニケーションのノウハウについて教師があまりにも無知であることに驚かされたことがありました。
いわゆる一流企業の研修で、中学1年生レベルの英語の単語を理解できない社員がいたことに驚愕したこともありました。
「実は教育現場が一番危機感から縁遠く、日本の現状に鈍感で無知なんです」
そうコメントしたのは、ある有名塾の英語カリスマ講師です。
「私は諦めています。彼らを変えることなんてできませんよ。早く日本から離れて、どう未来のリスクを回避するかなんて考えていますよ」
つまり、日本の国力そのものが低下し、そこにAIなどの新しい技術が世の中を変えようとしていることに最もついていっていないのが学校の先生であり、それを指導する県や国の機関なのだというわけです。

ここまで悲観的になることはないという人もいます。
確かに、日本企業の中にも、または日本人個人の中にも、未来に向けて逞しくイノベーションに取り組むケースが増えているのも事実です。
しかし、こうしたケースよりも、一つの失敗に大袈裟に反応し、羹に懲りて膾を吹き続け、何もしないことが賢いことという風潮が定着している組織や企業の方がはるかに多いことも事実です。
リスクを嫌うことが日本人の特徴で、完璧に準備をしない限り率先して先に進むと「出る杭」となることが多いのも日本の組織の特徴です。こうした傾向が、イノベーションの芽を摘み取ることも多々あって、インキュベーションレベルでの起業の足を引っ張っているのです。

しつこい円安は、こうした日本社会全体が生み出している現象です。
パスポートを持たない若者が増え続け、海外に留学をといっても親と進路指導の教師が一緒になってその意欲を摘み取ることがないようにしたいものです。
そして、企業は果敢にイノベーションを行い業績好転に取り組む社風造りが求められます。政府の財政赤字は対処療法では改善しないのです。
これから30年で社会がどのように変わってゆくかは、なかなか予測はつきません。ただ、今では思いもつかないようなことも起きているはずです。
円安の暗い影を取り除くには、こうした未来への免疫力をもった人材、言い換えれば人間力のある人材の育成が必要なのです。