2014年9月23日火曜日

アリババの成功物語から見えてくる日本の現実

こころをつなぐ英会話メルマガ
今日の目次です。

1.ニュースなイングリッシュ
~アリババの成功物語から見えてくる日本の現実~

2.Twitterえーわー!
二カ国語で同じ意味を同時tweet!

3.世界の心の交差点で
~謝る文化、そうでない文化~

4.山久瀬洋二お薦めの一冊
~And Then There Were None そして誰もいなくなった~

では、始まりです。

 1. ニュースなイングリッシュ

海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。

今週のテーマは、

「アリババの成功物語から見えてくる日本の現実」

です。


【海外ニュース】



Alibaba valued at nearly $230bn as stock surges on NY opening

訳:ニューヨークでの公開で株価が高騰し、アリババの時価総額は2300億ドル近くとなる
(Financial Timesより)


【ニュース解説】

中国の電子商取引会社アリババAlibabaがニューヨーク証券取引所New York Stock Exchangeで公開し、記録的な高値をつけたことは、世界中の経済紙がそのトップで伝えています。

この記事が配信された後、さらに株価は上昇し、最終的には公開価格から38%上昇し、株価は93.89ドルをつけたということです。

アリババの創業者、ジャック・マーJack Ma氏は、同社のインタビューに対して、

Today what we got is not money. What we got is the trust from the people.
(今日我々が得たものは金ではない。我々が得たものは人々の信用なのだ)

と満面の笑顔で語っています。

アリババは、1999年に杭州にあるジャック・マーのアパートで創業したといいますから、たった15年でアメリカンドリームの本拠地ニューヨークで、「チャイニーズ・ドリーム」を勝ち取ったことになります。

そして、アリババの主要株主はソフトバンク、アメリカのヤフーであることから、これは名実共の世界企業のサクセスストーリーということにもなるのです。

私はこのニュース記事をソウルから東京への機内で読みました。

そもそも電子取引には素人の私からみても、この快挙がいかにすごいことかは容易に想像できます。

マー氏の経歴自体、面白いもので、彼は決してエリートではありませんでした。

1964年生まれの彼は、大学受験にも二度失敗し、自動車の運転手から身をおこし、英語を勉強しようと改めて高等教育に挑戦したと、その経歴には書かれています。

その後彼は、英語学習の基礎を活かし、大学で国際間の商取引などを学び、電子取引の会社を創業したのです。

そんな経歴を読んでいるとき、私はふとソウルでの商談を思い出しました。

韓国の場合、今多くの企業に入社するためには、英語で面接を受けなければならなりません。そして、そのための参考書や、コーチングが一つのビジネスになっているのです。

韓国のビジネス文化はなんといっても、まず動いて、時には極端に状況を変化させながら、新しい目標にチャレンジすることで知られています。

英語での面接の導入が急増していることも、そうした韓国のビジネス文化と無縁ではないはずです。

では日本ではどうでしょうか。

まず英語を勉強して、そこから新たなチャンスへチャレンジしようとしている人は世界に無数にいるはずです。

そして、日本も例外ではないはずです。

そうした時流のためもあり、私は、日本企業で何度も、海外とのビジネスコミュニケーションに関する研修などを手がけていますが、人事部の関係者の多くが、私に研修は日本語ですよねと何度も念を押します。

そして、英語を勉強することは必要なので、TOEICの点数を上げるための講師などを別途雇い、これまた、日本語でその傾向と対策を学習するのです。

従って、日本では相変わらず英語難民と呼ばれる人々の数は減らず、企業の中でも、そして一般社会でも、英語が大切だという意識は持ちながらも、世界に羽ばたく人材育成にはほど遠い状況にあることは否めません。

こうした日本の現状を考えたとき、果たして日本でマー氏のような人材が育成できるのかという疑問と将来への不安を感じてしまいます。

韓国最大企業であるサムソンでは、TOEICに偏重するあまり、受験テクニックだけを備え、実践の場での英語を使った交渉や商談のできない人材が増える弊害を憂い、自社独自の英語検定制度を導入しています。

そして、その動きは徐々に他の企業にも影響を与えていると、私と商談をした韓国人企業家は語ってくれました。 

マー氏が育った中国は、韓国とはもちろん事情が異なります。

しかし、留学生や海外との人材交流の数を比較した場合、日本はその足下にも及んでいない事実を統計で突きつけられます。

ダイナミックに変化し、たった15年で世界企業が育成され、世界の商取引のあり方自体が変化する現在にあって、あまりにも変化に柔軟でなく、未だに受験偏重、実社会の現実とかけ離れた文部科学省の指針ばかりに目を向ける日本の英語教育の現場に危機感を覚えているのは、私だけではないはずです。

アリババのアメリカでの上場成功の背景には、そうした企業を興し、育てる人材を輩出できる社会があり、さらにそうした企業で働く人材のダイナミックな交流があるのだということを、我々は改めて認識する必要があるのです。


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 2.Twitterえーわー!

毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
間違いやすい英話や異文化コミュケーションのコツをお伝えしています。
中でもリツイートやお気に入りの多かったtweetをご紹介します。

【英語tweet】

Every culture has filter for people to evaluate & judge things. Japanese has it, too. Visit other culture to find countless various filters.

【日本語tweet】

世界に羽ばたく人は、新鮮な好奇心と柔軟性で海外の文化や事象に接して欲しいもの。日本だけで培われた知識によって、色眼鏡でものをみれば、全てがその色に染まってしまいます。そのままでは、日本で聞いていること、教えられたことと全く異なる事実やものの考え方に触れることができなくなります。


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 3.世界の心の交差点で

今回のテーマは、

「謝る文化、そうでない文化」

です。

アメリカに出張中、現地のビジネスパートナーから夕食に招待されました。

そこは太平洋に面したステーキハウスで、アメリカのレストランらしく、席に案内する人、ウエイター、料理を運んだりさげたりする人とちゃんと分業され、ダイニングは既に大勢のお客で賑やかでした。

まあ、その地域での高級レストランといっても差し支えありません。

予約していたテーブルに案内され、私はTボーンステーキ、招待してくれた夫婦も、私と共に招待された他の友人も、それぞれ同じような注文をウエイターにしたのです。

そこでのちっちゃなハプニングが、正に異文化を象徴した出来事として印象に残りました。

ウエイターが注文をとってしばらくして、料理が運ばれてきたときのことです。

ホストのビジネスパートナーが料理を持ってきた人にクレームをいいます。

「おいおい、僕のステーキ、ウエルダンでお願いしたはずだよ」

すると運んできた人は、

「おっと、そうだったの」
「そうだよ」
「じゃあ、もうちょっと熱を加えようか?」
「たのむよ」
「OK、安心しな」
「信頼してるぜ。頼んだよ」

こうした会話のあと、配膳係のおじさんは、そのステーキを持って、再びキッチンへ。

それをみていた、オーダーをとったウエイターが、

「どうしたんですか?」

それに対して、私のビジネスパートナーは、

「いやいや、肉がミディアムレアできたんだよ。だからまたやり直してもらったんだ」
「そうだったんですか」

こういって、二人はにこやかにジョークを交えて談笑します。

そんな一連のやりとりを横からみていて私は、心の中で思いました。

これが日本だったらどんな会話になっているかなと。

「ちょっと、ねえ。焼き方を頼んだはずだよ。ウエルダンだと」
「あ、そうでございますか。それは申し訳ありませんでした」
「困るなあ、ちゃんとオーダーを通してくれないと」

そこにウエイターが登場して、

「お客様、誠に申し訳ありません。すぐにウエルダンにしてお届けしますので」
「まあね。ちゃんとしてくれればいいんだけど」
「本当に申し訳ありません。ただいますぐに」

こんな会話になっていたのではないかと思うんです。

しかも、誰もが真面目な顔をして。

アメリカでの光景は、最初から最後までなごやかで、笑いすらありました。

しかもサービスを提供する側からも。

この意識の違いが、海外で仕事をするときに、思わぬ苛立や不快感を双方にもたらすのです。

謝ってほしい日本人と、「威張りくさって、なんだい、人をなんだと思っているんだ」と不快に思うこちらの人と。

しかも、日本人の多くはこうした対応をされると、いつものようにうまく謝ってもらえないので、どぎまぎして、クレームを和やかに話し合うことなどできません。

だから、だんだんとイライラして、最後はちょっと不快な顔をしたり、いきなり苛立ってみたり。

こうするとますます相手は意図が伝わらず誤解が深くなるばかり。

海外でクレームをつけたり、逆にクレームを受けたりするときの対応は、日本のそれと大きく異なります。

特に、欧米では、人と人とは対等という基本原則で話し合いますから、頭ごなしの怒り方は却って相手との溝を深めてしまうのです。

もちろん、ステーキをもってきたとき、その油が跳ねてお客の服を汚したりというどうしようもないミスがあったりしたときは、彼らも真摯に謝ります。

しかし、そんなときでも、お互いの対応の方法は、交渉であって、上下関係ではないのです。

レストランでの小さな出来事。そこに思わぬ異文化を、心の交差点での思いの違いをみたのでした。

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 4.山久瀬洋二お薦めの一冊

今週のお薦めは、

「And Then There Were None そして誰もいなくなった」

です。

孤島の洋館に集められた年齢も職業も異なる10人の男女。

招待主は姿を見せず、10人は嵐が襲う島から出られなくなってしまう。

やがて、館に伝わる童謡になぞらえた殺人が起こる。

誰かが殺されるたび、10体あった兵隊人形も一体ずつ消えていく。

一人、また一人と殺されて、ついには…。

ミステリーの女王、アガサ・クリスティーがラダーシリーズ(やさしい英語で書かれた多読用リーダー)に初登場!

著者:アガサ・クリスティー
価格:1,026円


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今回は、ここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週の「心をつなぐ英会話メルマガ」如何でしたか?

皆様のご意見・ご感想、ご質問・ご批判、お待ちしています。

See you next week !
また、読んでくださいねー。
さよならー。

発行者 山久瀬洋二
公式ブログ http://yamakuseyoji.com/
ご意見・ご感想等、お待ちしてます。
Email yamakuseyoji@gmail.com

山久瀬洋二の執筆活動

・異文化摩擦を解消する英語ビジネスコミュニケーション術

・英語で聞く世界を変えた女性のことば

・日本人が誤解される100の言動

・英語で読むスティーブ・ジョブズ

・気がつけばバイリンガル 英語日和

他多数


2014年9月18日木曜日

民族国家と近代国家、ヨーロッパの抱える潜在リスク

こころをつなぐ英会話メルマガ
今日の目次です。

1.ニュースなイングリッシュ
~民族国家と近代国家、ヨーロッパの抱える潜在リスク~

2.Twitterえーわー!
二カ国語で同じ意味を同時tweet!

3.英語でどう語る?「日本の文化」
~気配り~

4.山久瀬洋二お薦めの一冊
~1日10分「英語回路」育成計画:超音読レッスン 世界の名作文学編~

では、始まりです。

 1. ニュースなイングリッシュ

海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。

今週のテーマは、

「民族国家と近代国家 ヨーロッパの抱える潜在リスク」

です。


【海外ニュース】



Soccer Fans Supply Strong Voice in Scottish Independence Debate

訳:サッカーファンはスコットランドの独立の是非をめぐり強いメッセージを発信 (New York Times より)


【ニュース解説】

今になって何をと多くの日本人は思うでしょう。

しかし、このニュースには世界中が注目しています。

スコットランドが今月18日に独立の是非を問う住民投票independence referendumを実施するのです。

しかも、独立支持派が結構優勢というからびっくりです。

スコットランドの人々は、英語を話すものの強いスコットランド訛があり、そのアクセントのために現地の人との会話はとても骨がおれます。

そもそもスコットランドは1707年までは独立国でした。

イギリスの正式名称を、United Kingdom というように、イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、それに北アイルランドが合併して成立した「多民族国家」なのです。

あるときスコットランド出身の人と会話をしていると、English manという言葉がでてきました。

つまり、自らをThe Scottish(スコットランド人)として意識して、いわゆるイギリス人のことをそう呼んでいたのです。

彼らの多くは、自分たちがBritishと呼ばれ、あたかもイギリスの一員として扱われることを好みません。

イギリスが、伝統的にアイルランド系の人々が多く住む、北アイルランドでの分離独立運動に悩まされてきたことはよく知られています。

この地域では、それが流血事件にまで至るため、例えば企業の内規として、従業員が政治的な会話をすることを禁止している事例も多くあります。

しかし、分離独立運動は、北アイルランドだけではなかったのです。

イギリス東部にあるウェールズもスコットランドと同様に独立運動がないわけではありません。

ウェールズの人々は伝統的にWelshと呼ばれる言語を話し、民族としての強いアイデンティティを有しています。

「イギリスはいずれ、スコットランドと北アイルランド、それにウェールズが独立し、ロンドンを中心とした小さな国家になるだろうね」

ロンドンのある出版社の社長が以前そう言っていたことを思い出します。

さらにこの問題は、ヨーロッパ中を震撼させていることを忘れてはなりません。

スコットランド問題に呼応するように、先週にはスペインのカタルーニャ地方の分離独立運動が火を噴き、バルセロナをデモ隊が埋め尽くしました。

そのスペインには伝統的にバスク地方の独立運動もくすぶっています。

そもそも中世には数えきれない王国があり、言語も今以上に多様であったヨーロッパ。それが分離や統合を繰り返しながら現在の国々にまとまったのです。

それは、ちょうど日本にアイヌがいて、沖縄があり、それぞれが日本という国家に統合されてゆく過程と比較しても、遥かに多様で複雑でした。

それだけに、スコットランドが独立となれば、ヨーロッパ各地で、さらにはカナダから分離を求めるケベック州などを含め、欧米全体にその影響がでるのではと指導者達は固唾をのんで成り行きを見詰めているのです。

Scotland's First Minister Alex Salmond said the independence referendum was "a once in a generation opportunity"
(スコットランドの首相にあたるファースト・ミニスター、アレックス・サモンドは、独立の是非を問う住民投票を一生に一度の好機だと言明)

と、イギリスのBBCも総力取材を続けています。

アレックス・サモンドはScottish National Party(スコットランド国民党)の党首で、スコットランド議会の多数派の代表として、国家でいえば首相にあたるファースト・ミニスターに就任しています。既にスコットランドには相当の自治が保証されているのです。

スコットランドに本拠地をおく多くのイギリス企業が、スコットランドが独立をしたときは本部をイングランドに移転させると表明している一方、スコットランド系の金融機関は、独立したスコットランドの経済はむしろ好転するだろうと反論。

政治のみならず、経済的にも論争の波紋は拡大しています。

民族国家が近代国家に変貌するときに包含した多様な人々。

その分離独立運動が物語ること。それは人々の右傾化なのか、それとも民族の伝統と権利を尊重する民主化なのか。

問いへの答えはまだみえてこないのです。


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 2.Twitterえーわー!

毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
間違いやすい英話や異文化コミュケーションのコツをお伝えしています。
中でもリツイートやお気に入りの多かったtweetをご紹介します。

【英語tweet】

When Japanese say it’s difficult, it means it’s impossible”. Many westerners consider, “If it’s difficult, how we can make it possible”.

【日本語tweet】

「それは難しいですね」とか「考えてみます」と日本人がいうとき、多分にその意味するところはNo。しかし、海外では多くの場合「難しいか、ではどうすれば可能になるのか」とか「考えるのだからもっと売り込もう」と思われます。日本人の抑制した表現は、物事をさらに複雑にすることもあるのです。


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 3.英語でどう語る?「日本の文化」

今回のテーマは、

「気配り」

です。

「おもてなしの精神」にも直結する「気配り」。

気配りがなければ、おもてなしはできないよね。

でも、この「気配り」に何故日本人はそこまで長けていると思っているのか。

実はそこには理由があるわけ。

だって、日本って島国でしょ。島国で、住人のほとんどは日本人。しかも、地方の自治といっても、教育制度をみるとわかるけど、全国津々浦々同じ教育のシステムで動いている。

つまり、それだけ同じ民族で、同じ制度を共有してくれば、自ずとお互いの物事への感じ方や、判断の基準が似てくるわけ。

だから、相手に接したとき、どう気配りをすればいいかが、実に解りやすい。

ここが、多様な移民や民族の混在する大陸の国々とは大きく違うんだということを、まず知っておかなければ「気配り」の精神は、うまく説明できない。

ここで「気配り」を説明するにあたって、こうした日本の特殊性を意識し、あまり自慢げに説明しないことが肝要だ。

とはいえ、これはなかなか説明困難な概念。

まず、「気配り」を直訳するとどうなるだろう。

気配りとは、相手のへの配慮を意味するわけだから、例えば、”Showing consideration”としてみてはどうだろうか。

つまり、
Kikubari means the concept of “showing consideration”.

からはじめてみよう。もちろん、さらに詳しい説明が必要。

ここで思い出して欲しいのが、前回の「おもてなしの精神」の項で使ったattentivenessという単語。つまり、attentivenessが、「相手のことを思いやる」という意味をもち、気配りの考え方に非常に近いことを思い出そう。

しかも、「気配り」は、行動によって示す行為だ。

そこで、Kikubari must be shown through action. という文章を前において“attentiveness” の精神を解説してみる。

Kikubari must be shown through action. It begins with attentiveness and ends in showing consideration. In other words, kikubari is the behavior resulting from attentiveness to the feelings of others.

しかも、気配りは「さりげなく」する行動。

相手に「気をつかっているぞ!」と表現すると、それは逆に相手に気を使わせることになり、「気配り」の精神に反してしまう。 つまり気配りは「目立たない」、そそとした行為なのだ。

であれば、inconspicuous「目立たない」という単語があてはまる。

Kikubari is an inconspicuous sign of affection. なのだ。

かなり具体的になってきた。では、今までのところを全て、まとめて「気配り」を解説してみよう。

Kikubari means the concept of “showing consideration”. It must be shown through action. It begins with attentiveness and ends in showing consideration. In other words, kikubari is the behavior resulting from attentiveness to the feelings of others.

そして、気配りが控えめな行動だと説明する理由を述べてみる。つまり、なぜさりげなくしなければならないかを解説してみるとより、気配りの解説に深みがでてくる。Inconspicuousという単語を使って。

Let’s say you wish to show someone consideration but you do it in a rather obvious way. The result may be that the other party feels a sense of obligation. Therefore, Kikubari must be an inconspicuous sign of affection.

では、また来週。

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 4.山久瀬洋二お薦めの一冊

今週のお薦めは、

「1日10分「英語回路」育成計画:超音読レッスン 世界の名作文学編」

です。

速読力、速聴力を強化することで脳を活性化して、英語の処理スピードを格段に向上させる「英語回路」育成計画シリーズの13作目です。

[fast][slow]の2種類のお手本をもとに英文を音読し、目、耳、口をフルに使う英語学習法です。

脳にしみこむ「10分間」トレーニング!今作は、世界的に評価の高い文学作品『グレートギャツビー』『高慢と偏見』『風と共に去りぬ』『動物農場』から、音読のテキストとして最適の文章をセレクト。

感情移入して音読すれば効果絶大です!

1日10分超音読レッスン
世界の名作文学編
著者:鹿野晴夫
監修:川島隆太
価格:1,728円


筆者「トレーニングの前に」より

私自身、中・高・大と、英語が大の苦手。会社員になり、29歳で初受験したTOEICは、335点でした。そんな私ですが、1年610点、2年3か月で730点、3年半で850点になりました。そして開始から7年で900点を超えることもできました。各レベルでトレーニングの内容は多少違うものの、本書で紹介のトレーニングは、ずっと続けてきました。


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今回は、ここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週の「心をつなぐ英会話メルマガ」如何でしたか?

皆様のご意見・ご感想、ご質問・ご批判、お待ちしています。

See you next week !
また、読んでくださいねー。
さよならー。

発行者 山久瀬洋二
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ご意見・ご感想等、お待ちしてます。
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山久瀬洋二の執筆活動

・異文化摩擦を解消する英語ビジネスコミュニケーション術

・英語で聞く世界を変えた女性のことば

・日本人が誤解される100の言動

・英語で読むスティーブ・ジョブズ

・気がつけばバイリンガル 英語日和

他多数




2014年9月9日火曜日

ポスト冷戦の先に見えるものは

こころをつなぐ英会話メルマガ
今日の目次です。

1.ニュースなイングリッシュ
~ポスト冷戦の先に見えるものは~

2.Twitterえーわー!
二カ国語で同じ意味を同時tweet!

3.英語でどう語る?「日本の文化」
~おもてなしの精神~

4.山久瀬洋二お薦めの一冊
~日本人のこころ Heart & Soul of the Japanese~

では、始まりです。

 1. ニュースなイングリッシュ

海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。

今週のテーマは、

「ポスト冷戦の先に見えるものは」

です。


【海外ニュース】



NATO Plans a Special Force to Reassure Eastern Europe and Deter Russia

訳:NATOは東ヨーロッパを防衛し、ロシアにくさびをうつための特別な軍事行動を計画
(ニューヨークタイムズより)


【ニュース解説】

戦後の世界を二分していた冷戦が終わった契機は、地中海の島国マルタで当時のソ連のゴルバチョフ書記長とアメリカのジョージWブッシュ大統領との会談が終了した1989年12月3日でした。マルタ会談Malta Summitです。

冷戦終結の立役者ミカエル・ゴルバチョフは、西側諸国では高く評価されます。

しかし、ロシアでのゴルバチョフの評価はそれとは逆で、ロシアの弱体化をもたらした人物として、人気は全くふるいません。

それと対照的なのが、その後の混乱期を克服し、ロシアを強国として復活させた現在の大統領ウラジーミル・プーチンなのです。

彼の独裁者的な政治手腕に批判的な人は多くいるものの、庶民レベルでいうならば、強いロシアを再現させたプーチンの人気は根強いものです。

我々は、ロシアのウクライナへの介入、そしてクリミア半島の併合などをみるとき、そんなロシアの脅威にNATOがさらされているだけではなく、弱体化したアメリカ外交のもたらす危機であると分析します。

ではロシア側からみるとどうでしょうか。

英語にin a person’s shoeという熟語があります。つまり「その人の靴をはく」ということから相手の立場にたってみるということを意味する熟語です。

つまり、ロシアの靴をはいてみると、マルタ会談以降のロシアの焦りが、今反動となってウクライナに押し寄せていることがよくわかります。

マルタ会談以前の冷戦期、ソ連は東ヨーロッパ全域を自らの勢力圏におき、NATOに対してワルシャワ条約機構 Warsaw Treaty Organization という軍事同盟の盟主として君臨していたのです。

ソ連の崩壊とともに、そうした鉄のカーテンによる安全保障は崩壊し、今NATO加盟国がロシアと国境を接するようになりました。

そしてウクライナも今や西側に取り込まれようとしています。

アメリカの求心力の低下という図式でみれば、西側諸国の焦りはよく理解できます。

しかしマルタ会談以降、ロシアは正に権益を失い続け、彼らからみればソ連時代とは比較にならないほど、自らが西側の軍事力の前にさらされていると思っているはずです。

こうした視点に立って、ウクライナ問題をみるとき、プーチンの政治力以上に、ロシア国内にあるソ連時代へのノスタルジックなナショナリズムが、プーチンを後押ししている現状がよくわかります。

今度は、NATOの靴をはいてみましょう。すると二つの危機がみえてきます。

一つが、ウクライナ問題でのロシアの強攻策。そしてもう一つは西欧社会に露骨にチャレンジしてくるシリアとイラクでのISISの勃興です。

The combination of crises - one on NATO’s borders with a resurgent Russia and the other involving a possible new terrorism threat from radical Islam - represents the first major challenge to NATO in a quarter of a century.
(危機のコンビネーション。一つはNATOに接するロシアの復活。そしてもう一つはイスラム過激派組織からくる新たなテロの脅威。これらはNATOがこの四半世紀で経験したことのない重大な脅威なのだ。)

と同紙も解説しています。

つまり、ロシアとアメリカ、そしてNATOは、双方とも自らの抱く焦りに押され、ウクライナの地で相撲をとっていることになります。

今回締結された、ウクライナと新ロシア派の停戦も、実は妥協による合意ではなく、この相撲の膠着状態が産み出した停戦といっても過言ではないのです。

From Yalta to Maltaという言葉があります。それは、第二次世界大戦後の世界の秩序を話し合ったヤルタ会談と、それによってできあがった冷戦が終結したマルタ会談との間を一つの時代として括る表現です。

そしてマルタ会談以降を我々はポスト冷戦と呼んでいます。

クリントン政権期のアメリカの繁栄の一方で、ソ連崩壊による旧ソ連域内やその周辺国におきた混乱。

それに加えて中東問題の混迷に象徴されるテロの台頭。

こうしたマルタ以降のポスト冷戦の世界が、さらに一皮むけてロシアの復活、中国の伸長などによる新しい秩序への模索期にはいりつつあること、つまり既に我々はポスト冷戦期を離脱しつつあることを意識して現代の国際政治を見詰めると、このように色々なことがあぶり出されてくるのです。

その秩序が、安定したものか、さらに不安定は混乱への幕開けなのか。

ウクライナ問題、中東問題だけではありません。我々極東での隣国同士の緊張も加えた様々な不安定要因は、こうした「ポスト冷戦」以降の新たな秩序へのうねりに翻弄される結果発症している現象であるという点で、見事に一致しています。

これからは、今まで以上に、地域での混乱を各論としてではなく、世界の変化に共通した現象であるという視点で捉えてゆかなければならないのです。


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 2.Twitterえーわー!

毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
間違いやすい英話や異文化コミュケーションのコツをお伝えしています。
中でもリツイートやお気に入りの多かったtweetをご紹介します。

【英語tweet】

Japanese tend to require perfection from the beginning of the project.
Therefore, it takes a long time to make a decision to move ahead.

【日本語tweet】

日本人はものごとの入り口で完璧を求め、決裁に時間をかけすぎます。
よって、まず合意して進めながら調整してプロジェクトを完成に導く海外の常識と噛み合わず、日本だけが疎外されることが多くあります。
もし状況が変わればプロジェクト自体のゴール設定も変わる柔軟な姿勢にもついていけないのです。


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 3.英語でどう語る?「日本の文化」

今回のテーマは、

「おもてなしの精神」

です。

この言葉を英語で説明?

意外と難しいかも。

というのも、ただ日本は「おもてなしの国」などといえば、

「なにいってるの。どこの国だって外から来た人をもてなそうとするぜ。うぬぼれんなよ!」

ということになってしまうから。

じゃあ、一般的に、人をもてなすことって、どう説明する?

人を「もてなす」というときのキーワードはentertainだよね。

または、「おもてなし」という名詞を直訳する場合、hospitalityという言葉があてはまる。だから単に「おもてなし」を英語でいうときは、こうした単語を使えば問題は解決。

でも「精神」という言葉をいれて説明しようとするとそうはいかない。

日本人的にみたとき、「おもてなしの精神」とは、心がこもっていないとだめだから、例えば、

Omotenashi means to treat or entertain someone sincerely and warmheartedly.

とすれば、結構いけるんじゃないだろうか。

Sincerely とは「心から」という意味だし、warmheartedly とは文字通り「暖かい気持ちで」というわけ。

で、この時に、日本独特の「おもてなしの精神」を説明する前に、是非やっておきたいことがある。

それは、「あなたの国ではどんなおもてなしをする?」と質問をしてみること。

そして、それを参考に、日本の「おもてなし」の事例などを説明すれば、よりフェアに日本の「おもてなし文化」を説明できるはず。

例えば、オフィスに訪ねてきた人に、ただお茶を出すことは「おもてなし」ではあっても、「おもてなしの精神」とまではいかないね。

欧米では、オフィスに来た人に、Do you want something to drink? と聞いて、水かお茶かコーヒーなど選択してもらうけど、これは日本にはない「おもてなし」。

こうした事例を聞き出した上で、日本流の「おもてなしの精神」を説明するといいのでは。

例えば、

At the core of omotenashi is attentiveness to the needs of others.

といえばどうだろう。

attentiveness とは「思いやり」という意味の言葉。覚えておくと便利だよ。

つまり、「おもてなしの精神」の本質は、他人へのおもいやりにありという論法で、進めようというわけ。

そこで attentiveness の意味するところを更に説明してみよう。

To be attentive means to read the atmosphere, sense the mood, and feel the invisible energy pervading an occasion.

ではどうだろうか。

ちなみにpervadeとは「充満する」という意味だから、invisible energy pervading an occasion とは、「その折々に充満する目に見えない雰囲気」ということになる。

日本ではこのように、空気を読んで相手の身になっておもてなしができたら理想だと思っていて、それが「おもてなしの精神」なんだと説明するのも一案かな。

日本の文化をうまく説明することは、意外と大変。でも楽しく考えてみよう。これが異文化でのコミュニケーションの面白さなのだから。

では、こうしことを加味して、「おもてなしの精神」を英語で説明してみよう。構文は簡単。わからない単語があれば、辞書をひいても構わないよ。

Omotenashi means to treat or entertain someone sincerely and warmheartedly, whether that person be a visiting guest, a business contact, or a friend or acquaintance.
At the core of omotenashi is attentiveness to the needs of others.
To be attentive means to read the atmosphere, sense the mood, and feel the invisible energy pervading an occasion.
Ultimately, or ideally, it means not to entertain the guest to achieve some kind of self-satisfaction, but to be quick in perceiving the guest’s needs, desires, and the overall mood, and to entertain the guest accordingly.

次回は「気配り」。「おもてなし」と深い関係があるよね。

では

Have a nice day!!

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 4.山久瀬洋二お薦めの一冊

今週のお薦めは、

「日本人のこころ Heart & Soul of the Japanese」

です。

「おもてなし」「武士道」「わび・さび」「幽玄」「本音と建前」など、古から現代にまで受け継がれてきた日本人の感性を表す76のキーワードを簡潔明瞭な英語で説明。

日本人の価値観を海外の人に深く理解してもらうために、しっかりと読み込みたい1冊です。

大きな活字とページ下部に難解単語の語注つきで、多読初心者やシニアにも読みやすい!

日本人のこころ
Heart & Soul of the Japanese
著者:山久瀬洋二
翻訳:マイケル・クーニー
価格:1,512円

中身はこんな感じです↓↓↓



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今回は、ここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週の「心をつなぐ英会話メルマガ」如何でしたか?

皆様のご意見・ご感想、ご質問・ご批判、お待ちしています。

See you next week !
また、読んでくださいねー。
さよならー。

発行者 山久瀬洋二
公式ブログ http://yamakuseyoji.com/
ご意見・ご感想等、お待ちしてます。
Email yamakuseyoji@gmail.com

山久瀬洋二の執筆活動

・異文化摩擦を解消する英語ビジネスコミュニケーション術

・英語で聞く世界を変えた女性のことば

・日本人が誤解される100の言動

・英語で読むスティーブ・ジョブズ

・気がつけばバイリンガル 英語日和

他多数




2014年9月4日木曜日

ミズーリの『長い暑い夏』が語ること

こころをつなぐ英会話メルマガ
今日の目次です。

1.ニュースなイングリッシュ
~ミズーリの『長い暑い夏』が語ること~

2.Twitterえーわー!
二カ国語で同じ意味を同時tweet!

3.英語で一言
~Uniqueの一言に気をつけよう~

4.山久瀬洋二お薦めの一冊
~グローバルエリートのビジネス・キーワード100
成功を収めたリーダーたちの言葉の使い方~

では、始まりです。

 1. ニュースなイングリッシュ

海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。

今週のテーマは、

「ミズーリの『長い暑い夏』が語ること」

です。


【海外ニュース】



Michael Brown's funeral: Hope, tears and a call for social change.

訳:マイケル・ブラウンの葬儀、希望と涙、そして社会変革への声の中で (CNNより)


【ニュース解説】

8月25日、アメリカでは国中がある葬儀に注目していました。

去る8月9日、アメリカの中西部、ミズーリ州で、マイケル・ブラウンMichael Brownという18歳の黒人少年が、白人の警察官に射殺されたのです。

事件発覚当初、地元の警察は狙撃した警察官の名前を秘匿し、狙撃が正当であったことを主張しました。しかし、被害者が丸腰であったこともあり、警察の行為は、黒人への差別だと人々は憤慨します。

やがて、抗議の群衆は暴徒化し、混沌turmoilが世界に報道されたのです。

ジェイ・ニクソンJay Nixon州知事は、非常事態宣言を発令し、警官隊を導入して鎮圧に臨みますが、それが人々の怒りに油を注ぐことになりました。

実際に事件は、当初の発表のように、警察官が正当な行為として発砲したのか、それとも無抵抗の被害者を射殺したのかはっきりしません。

FBIも調査に乗り出し、司法解剖を行い、少なくとも、被害者は6発の銃弾を被弾し、そのうち2発は頭部に命中したことが明らかになりました。

このことから、どのような状況であれ、警察の行為は過剰だったのではと世論は傾きます。

ニューヨーク生まれで、公民権活動家であるAl Sharpton牧師は、葬儀で暴徒の行為を批判し、

"You don't understand that Michael Brown does not want to be remembered for a riot."
 (君たちは、マイケル・ブラウンが暴動の代名詞として人々の心に残ることを望んでいるのか)

と、暴走を強く戒めました。そんな声もあり、なんとか緊張は溶け、これから事件の真相への調査が始まります。

60年代に、黒人を中心としたマイノリティminorityの人権向上を求めた公民権運動がおきたとき、アメリカでは怒る黒人系の人々が各地で暴徒となり、それは「長い暑い夏」Long and Hot Summerと呼ばれました。

今回の暴動は、当時のことを思い出させます。

事件は、1992年4月に、ロサンゼルスで黒人系のロドニー・キングRodney King氏に暴行を加えた警察官が無罪になったことに怒った人々が暴徒と仮した、「ロス暴動」LA Riotとも酷似しています。

アメリカは、公民権法が発足して以来、人種、性別、国籍、宗教、年齢、性的趣向などをもとに人を差別してはならないという意識を、社会が受け入れてきました。

それは法的な拘束力と共に、職場や公共施設、レストランや商店などの公の場での常識となっています。

実際、アジア系など、元々マイノリティとされてきた人々への露骨な差別は、今では、殆ど見られません。

しかし、社会の底辺におかれてきた黒人系の人々の、元々社会的に優位な立場にあった白人系への不信感だけはなかなか拭えません。

しかも、残念ながら、黒人系の人々が経済的なハンディキャップを克服できず、多くが犯罪率の高い地域で生活していることも事実です。

そして、治安の維持にあたる白人系の警察官は、黒人系の人々の憎悪に緊張を強いられる一方、黒人系の人々はそれが故の白人系の警察官の態度に恐怖や怒りを覚えてしまうという、悪循環が常に繰り返されます。

こうした環境の中で、いつも暴発の悲劇の引き金になる「銃社会」。

日本では警察官の銃は「おかざり」であるといっても過言ではありません。

でも、一歩海外に出れば、状況は異なります。

私は、以前、ある白人系の人が当時の私のオフィスで銃を目の前において実弾を入れたとき、その人が単に銃を私に見せようとしていただけだとわかっていても、いいようのない恐怖を覚えたことを忘れません。

また、ニューヨークのブルックリンで、今回と同様の暴動を取材したとき、防弾チョッキをきて、自動小銃をもった警官の緊張に強ばった顔も忘れません。

そして、私自身、カメラマンと共に暴徒に囲まれ、正にドライバーの機転で車を車道から歩道に乗り上げて、その場を脱出した時の恐怖も忘れません。

映画で、銃を向けられただけで自白する人をみて、バカバカしいと思う人は、平和に慣れた日本の中だからこそ、そういえるのだと私は断言できます。

幸い、日本人の殆どは、実弾の入った銃を向けられたときの恐怖を知らないのです。

まして、今回、被害者となった黒人の少年が、白人警官に銃を向けられたとき、それはどれだけの恐怖だったでしょう。

ですから、パニックになった黒人少年と、同じく緊張の糸の張りつめた警察官とが、お互いにどういったいきさつで悲劇をおこしたか、なんとなく想像にかたくないのです。

アメリカ、いえ、世界各地の戦場など、銃がものをいうあるあらゆる社会で、こうした悲劇が繰り返されています。

今回の事件は、公民権を徹底させながらも、何度もこうした事件が勃発するアメリカ社会の矛盾をこえた課題であることを、我々に突きつけているのです。


バックナンバー(山久瀬洋二ブログ)

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 2.Twitterえーわー!

毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
間違いやすい英話や異文化コミュケーションのコツをお伝えしています。
中でもリツイートやお気に入りの多かったtweetをご紹介します。

【英語tweet】

“I am so thrilled” is the excellent expression when you receive any idea or proposal that you really like.

【日本語tweet】

相手から提案や誘いなどを受けたとき、それを心から嬉しく思うなら、ただThank you という前に、I am so thrilledという表現などを使うと、その高揚感が相手に伝わります。
特にやりとりが事務的になりそうなメールでは、こうした表現はよいアクセントになるはずです。


山久瀬洋二twitter はこちら

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 3.英語で一言

今回のテーマは、

「Uniqueの一言に気をつけよう」

です。

私の今までの経験で、日本人は自らのことを説明するときに、uniqueという表現を使いがちです。

例えば、仕事で何か提案を受けたとき、

I think it is difficult because we have a unique market in Japan.

なんていいがちなのです。

日本の特別な事情を説明することが難しいために、こうした表現に頼ってしまうのでしょう。

実は、この表現は最低です。

まず、difficult と曖昧に言って、しかもuniqueと自らを特別視して相手に伝えている、二重の意味で「誠意のない拒絶」を相手に伝えているからです。

日本人は日本語でも「日本の特殊な事情が」などといって、自分たちを特別なものと意識する傾向があります。こんなときの、海外の人の反応は、

Japan is unique? Every country is unique!!

ということになります。そしてそれはごく公平な反応だといえますよね。

確かに、日本には海外にはない産業構造や、自然環境、そして文化的特徴があります。

でも、それは世界のどこの国でも同様で、それぞれの国に他にはない特殊なものがあることをまず前提として意識してコミュニケーションをしたいものです。

ですから、

As you know, every country has a different market. We have it in Japan.

などと言って、さらにFor example,-----と具体的な事例を示しながら説明し、相手に理解をもとめるようにするべきではないでしょうか。

今回は、「英語で一言」ではあるものの、誤って使いがちな一言を紹介しました。

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 4.山久瀬洋二お薦めの一冊

今週のお薦めは、

「グローバルエリートのビジネス・キーワード100: 成功を収めたリーダーたちの言葉の使い方」

です。

実践ですぐ使えるような具体的な例文や、キーワードを使った著名なビジネスパーソンの発言も多数紹介!

グローバル・ビジネス用語の中には、ピッタリの訳語がなく英和辞典にも載っていない言葉が多く存在します。

ビジネス上重要なこれらの用語を正しく理解しないと、仕事の成功を妨げてしまうことも…そのような重要な意味を持つキーワードを100語精選し、海外とのビジネスの現場でどのように使われているかを解説しました。

ビジネスに役立つトリビアも満載です。

「日本人はとても micromanagers です!」

「すみませんが、micromanager とは何ですか?」

経営コンサルタントの仕事の一環として、日本企業のためにトレーニング・セミナーや teambuilding セミナーを行うことが多いのですが、そういった場で上記のようなアメリカ人と日本人の会話を頻繁に耳にします。

アメリカ人が発する言葉には、使っている彼らにとっては重要な意味を持っていても、英語が得意な日本人にさえ“本当の意味”を理解できないものが多いようです。

それによって変な誤解や摩擦が生じてしまわないかとハラハラすることも多々あります。

--- 著者序文より

グローバルエリートのビジネス・キーワード100
成功を収めたリーダーたちの言葉の使い方
著者:ロッシェル・カップ
価格:1,728円

↓↓ 中身はこんな感じです。↓↓



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今回は、ここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週の「心をつなぐ英会話メルマガ」如何でしたか?

皆様のご意見・ご感想、ご質問・ご批判、お待ちしています。

See you next week !
また、読んでくださいねー。
さよならー。

発行者 山久瀬洋二
公式ブログ http://yamakuseyoji.com/
ご意見・ご感想等、お待ちしてます。
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山久瀬洋二の執筆活動

・異文化摩擦を解消する英語ビジネスコミュニケーション術

・英語で聞く世界を変えた女性のことば

・日本人が誤解される100の言動

・英語で読むスティーブ・ジョブズ

・気がつけばバイリンガル 英語日和

他多数