2015年8月18日火曜日

ガンジーの国から、もう一つの8月15日を考えて

こころをつなぐ英会話メルマガ

今日の目次です。

1.ニュースなイングリッシュ
~ガンジーの国から、もう一つの8月15日を考えて~

2.Twitterえーわー!
二カ国語で同じ意味を同時tweet!

3.英語で一言
~For me という気持ちを理解しよう~

4.山久瀬洋二お薦めの一冊
~Jアプローチ 「4技能時代」を先取りする凄い英語学習法~

では、始まりです。

 1. ニュースなイングリッシュ

海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。

今週のテーマは、

「ガンジーの国から、もう一つの8月15日を考えて」

です。


【海外ニュース】



An eye for eye only ends up making the whole world blind.

訳:目には目をということでは、結局世界は盲目になってしまう
(ガンジーの名言より)


【ニュース解説】

8月のムンバイはモンスーンの最中。町に湿気がたまるとザーという音があちこちから響いてくる。

すると驟雨がはじまり、それがしばらく続き、町中の湿気が道路に、溝に、植え込みに、そしてアラビア海へと吸収される。思ったほどじめじめしてはいず、むしろ太陽が照りつけない分、過ごしやすい。

そんなムンバイ、そしてインドにも8月15日が訪れる。

日本の終戦記念日、アメリカでは V-J Day(Victory over Japan Day)、中国や韓国でも日本の侵略から解放された日として、色々なイベントがあることはよく知られている。

しかし、インドでの8月15日は少し違う。

インド人はこの日を Independence Day、つまり独立記念日として祝うのである。

デリーなどでは大幅に通行を規制して軍事パレードなどの式典が行われる。

では、日本とインドの8月15日がまったく無縁のものかというと、決してそうではない。

インドが独立したのは、1947年8月15日。日本の敗戦からちょうど2年目のことであった。

インドの宗主国であったイギリスは、日本に対しては戦勝国。あの大島渚の映画「戦場のメリークリスマス」Merry Christmas, Mr. Lawrence でも取り上げられたように、シンガポールやマレーア、そしてビルマなどで日本はイギリスと激しい戦闘を交えている。

ビルマやインドでは、日本軍によって現地での独立運動を利用した作戦が展開され、イギリスをかく乱していた。

ビルマの民主化運動の指導者アウンサン・スーチーの父親であるアウンサン将軍も、一時は日本へ協力しながら独立への道を模索した。

そんな日本を痛切に批判していた人がいる。

インド独立の父ガンジーである。ガンジーは、イギリスからインドを解放するときに、nonviolence(非暴力)での civil right movement(民権運動)を展開し、運動の戦略としては、イギリスの制度に対する不服従、すなわち non-cooperation movement を展開してゆく。

この暴力を排除するガンジーの姿勢は、日本の中国への侵略行為などを正当化し、アジアの独立と繁栄を求めようとした大東亜共栄圏のビジョンと鋭く対立したのであった。

彼は実際に、アジアのために戦うべき日本が中国という豊かな文化のある国家を侵略していることを批判し、弾劾している。

ガンジーの nonviolence, non-cooperation「非暴力、不服従」の活動は、後世の活動家に受け継がれ、例えばアメリカで黒人の公民権を求めて闘ったマルティン・ルーサー・キング牧師、南アフリカでの人種差別撤廃を成し遂げたネルソン・マンデラなどの活動へと繋がっていった。

インドの8月15日は、そうした活動が結実し、イギリスからインドが独立を勝ち得た日なのである。

インドの現在の外交上の課題は、独立にあたって分離したパキスタンとの不安定な関係である。

全ての宗教や民族が融合した国家を建設しようとしたガンジーの意志とは裏腹に、ヒンズー教徒とイスラム教徒の対立からイスラム教国としてパキスタンはインドから分離独立した。

そして、イスラム教に対して宥和政策をとろうとしたガンジーに不満を持つヒンズー教の過激派の凶弾に、ガンジー自身が倒れたのは、インド独立の翌年のことでした。

8月15日。日本では中国や韓国との戦争を巡るそれぞれの意識の対立を払拭できないまま、70年の記念日を迎えてしまう。

そして、インドでは隣国パキスタンとの緊張関係を拭えないまま、68年目の記念式典が行われた。

インドとパキスタンとの間は未だに旅客機での行き来もできないほど、常に緊張関係が続き、双方とも核兵器を所有し威嚇しあっているという国際的なリスクをはらんでいる。

ムンバイの鉄道の玄関口であるチャトラパティ・シヴァージ・ターミナル Chhatrapati Shivaji Terminus(旧称ビクトリア・ターミナル)。

そこは人種や宗教の坩堝 melting pot を象徴するかのように、インド全国、そしてムンバイ近郊の街々から様々な人々が流れ込む。そんなターミナル横の大通りをさらに北上すれば、大規模なイスラム人街が拡がっている。

ムンバイの人によれば、意見は二つに別れている。こうした様々な宗教を全て飲み込み宥和するインドのパワーと美しさを信ずる人。

そして、イスラム教とヒンズー教との分離を主張する人。前者と後者の対立は、インドとパキスタンとが緊張する度に、様々な政治的な発言を通して代弁される。

8月15日のインドは、そんなインドの成り立ちをもう一度国民全員が考える日でもある。

そして日本の8月15日はどうだろうか。

ガンジーの説いた、非暴力不服従、そして宗教や人種を超えた人の宥和。

このテーマは、憲法論議に揺れる日本を含めた我々地球全ての人々の課題となっている。

その視点に立って、来年のアメリカの大統領選挙、ヨーロッパや中東などでの様々な政治課題を見つめてみることも、これからは特に必要なのである。


バックナンバー(山久瀬洋二ブログ)

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 2.Twitterえーわー!

毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
間違いやすい英話や異文化コミュケーションのコツをお伝えしています。
中でもリツイートやお気に入りの多かったtweetをご紹介します。

【英語tweet】

When Japanese meet at the elevator in abroad, they tend to ignore each other even they know the compatriots are beside. It’s odd & awkward.

【日本語tweet】

海外のホテルのエレベータで日本人同士が出会うと、お互い意識しつつも気まずく沈黙して無視。他の多くの国の人同士は、ニコリとして Hi と声を掛け合い Have a nice dayなどといって別れます。中には、Hi と声をかけられたことに気付かず沈黙の日本人も。異なる常識の思わぬ摩擦です 。


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 3.英語で一言

今回のテーマは、

「For me という気持ちを理解しよう」

です。

英語で人とコミュニケーションをするときは、自分が思っている以上に、はっきりと意見をいうべきだと今まで強調してきました。

確かに、英語圏の多くの国の人々には、日本流の行間の意味や阿吽の呼吸という考え方が通用しません。

逆に言葉で語られた意味が、そのまま相手へのメッセージとして捉えられるのです。

つまり、もし英語を使っていながら、日本流の間接的な表現や、曖昧なものの言い方に従って相手とコミュニケーションをした場合、あなたの本当の意図を理解してもらうことは困難です。

そしてむしろ相手に誤解を与えてしまうリスクの方が多くなります。

だから、自分の意見ははっきりいうに越したことはないのです。

そうした意味からも、For me, という表現で始まるセンテンスは、人と自分とを区別し、自らの意思をはっきりと伝える時にとても便利なのです。

例えば、

For me, I cannot agree with this proposal.
(私はこの提案には賛成できないね)

という風に使って、自分の意思を相手に伝えるのです。

この表現は、「他の人がどうであろうと、私は---です」という意味を含んでいます。

For me, I have already got enough.
(少なくとも私はもう充分にいただきました)

If you like it, please. For me, it is not my favorite.
(もしお好きならどうぞ。私にとっては、これは私の好物ではありません)

島国の中で同じ民族の中で交流してきた日本人は、こうした表現が苦手です。

しかし、様々な背景の人や人種が共存する他の社会では、このようにはっきりと表現をしない限り、相手に意図が通じないというわけです。

For me, ---というセンテンスは、むしろあなたという人格や個性をはっきりと相手に理解してもらい、「顔」の見える存在として海外の人と交流する上で、必要不可欠な一言といえます。

しかも、このようにしっかりと相手に意思を伝えることを、相手もむしろ望んでいるのだということを理解しておきましょう。

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 4.山久瀬洋二お薦めの一冊

今週のお薦めは、

「Jアプローチ『4技能時代』を先取りする凄い英語学習法」

です。

アメリカの超一流大学で採用されている最強メソッド『Jアプローチ』!

コーネル大学名誉教授のエレノア・ジョーデン博士によって考案された、この『Jアプローチ』は、現在、ハーバード、プリンストン、イエールをはじめ、世界ランキング上位20校のうち、半数以上の12校で採用されている、言語の効率的習得を徹底的に追及したメソッドです。

このメソッドはスピーキング中心主義で、スピーキング力の向上により、同時に他の3技能(リスニング・リーディング・ライティング)を、よりスムーズに習得することができます。

本書では、スピーキング力の強化により、4技能をバランス良く身につける方法を、詳細に解説しています。

世界標準の学習法で、英語力を飛躍的に向上させましょう!

Jアプローチ『4技能時代』を先取りする凄い英語学習法
著者:米原 幸大・晴山 陽一
価格:1,620円

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今回は、ここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週の「心をつなぐ英会話メルマガ」如何でしたか?

皆様のご意見・ご感想、ご質問・ご批判、お待ちしています。

See you next week !
また、読んでくださいねー。
さよならー。

発行者 山久瀬洋二
公式ブログ http://yamakuseyoji.com/
ご意見・ご感想等、お待ちしてます。
Email yamakuseyoji@gmail.com

山久瀬洋二お薦めの書籍

・対訳 TOKYO CITY GUIDE 観光客をもてなす極上のスポット

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