2015年8月4日火曜日

2016年  アメリカ大統領選挙の争点とは

こころをつなぐ英会話メルマガ

今日の目次です。

1.ニュースなイングリッシュ
~アメリカ大統領選挙の争点とは~

2.Twitterえーわー!
二カ国語で同じ意味を同時tweet!

3.山久瀬洋二お薦めの一冊
~東京居酒屋ガイド~

では、始まりです。

 1. ニュースなイングリッシュ

海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。

今週のテーマは、

「アメリカ大統領選挙の争点とは」

です。


【海外ニュース】



Vice President Joseph R. Biden Jr. and his associates have begun to actively explore a possible presidential campaign, which would upend the Democratic field and deliver a direct threat to Hillary Rodham Clinton.

訳:ジョセフ・バイデンと彼の関係者は、大統領選挙への出馬を積極的に検討。これは民主党の大統領選挙への大きな変化となり、ヒラリー・ロッダム・クリントンへの直接の脅威となるようだ(NY Timeより)


【ニュース解説】

来年のアメリカでの大統領選挙 a presidential election を巡っては、共和党 The Republicans ではメキシコ系移民の排除などを歯に衣着せず言明し、毒舌によって却って人気を集めている Donald Trump が、どちらかというと穏健派として知られる Jeb Bush を脅かすなど、その混戦模様が話題となっています。

そうした中で、民主党 The Democrats はといえば、圧倒的な人気を博す、Hillary Rodham Clinton がアメリカ発の女性大統領を目指して独走しているような印象を与えていました。

しかし、ここにきて、現職の副大統領の Joseph R. Biden Jr が立候補するのではという憶測が流れ、状況が一挙に混沌としてきたのです。

こうした状況の中、今回の大統領選挙の争点について考えてみましょう。

私は、今回の争点は一言、「本音と理性」との闘いなのではと思っています。

では、本音とは何を意味しているのでしょうか。

例えば、あなたがもし「白人の男性」、しかも中産階級に属しているとします。すると、あなたは仕事の上でも、日常生活ですら「平等」という概念に常に過敏に反応しなければならないという重圧を感じます。

つまり、元々社会的に優位な地位にあった白人であり、かつ男性であるあなたは、そうでない人種を差別していないことを常に行動で社会にアピールし、女性に対しても、気を遣って法に触れず、社会からも制裁を受けないように行動しなければならないというわけです。

移民社会であり、資本主義の本家を自負するアメリカは、人種差別をいかに排除し、平等で自由な社会を造ってゆくかという課題と常に取り組んできました。

ですから、少なくとも法律上、そして社会の表面では制度上もあらゆる人が人種や国籍、さらに性別や宗教的背景などによって人が差別されない仕組みが出来上がっています。

そのとき、元々差別していた側の白人男性はより、ちょっとした誤解から加害者となる可能性に晒されているという風に思っている人は結構多いのです。

一方現実の社会は混沌としています。

本音でいえば、経済格差の問題と、人種の問題とは常に深くリンクしていて、アフリカ系アメリカ人の居住区は低所得で犯罪率が高いと一般的には思われています。

そして、カリフォルニアなどでは、メキシコや中南米からの移民の流入が、新たな社会上の差別や不平等を産み出しているとされているのも事実です。

そんな格差社会と、建前だけの平等の原則にうんざりしている人が、今アメリカ社会の中に新しい保守層として台頭してきているのです。

彼らの多くは、表面上はごく普通の社会人です。

しかし、心の中ではそうした不満が鬱積し、時には人種偏見にも同情的です。ただ公にはそれを口にできないため、こっそりと Donald Trump のメキシコ系移民への強烈な批判といった過激な言動に同情するのです。

この本音の行動に対して、あくまでも社会が目指す理想をかなぐり捨てては元も子もなく、そんなことをすれば、世の中が再び暗黒時代へと逆戻りするという脅威を感じている人々が、Hillary Rodham Clinton を支持するリベラス層というわけです。

この本音と理想との対立は世界のあちこちでもおきています。

自分たちを迫害してきた者へ容赦なく鉄槌をというイスラム原理主義者の本音と、あくまでも多様性を支持し人権を重んじた社会を目指す理想。

経済的に行き詰まるギリシャなどを切り捨てて、ユーロを守るべきとする本音と、先の二つの戦争などによって分断されたヨーロッパを一つの共同体として成長させるべきとする理想など、そうした対立事例は様々な形で世界に拡散しています。

人類が、理想を目指さず、それぞれの本音のニーズだけで動き出す時、そこには戦争や迫害がついてまわることは、長い歴史が証明しています。

今回の大統領選挙は、そうした本音にどこまで妥協しながらも、アメリカがしたたかに理想を目指してゆけるのかというテーマに、国民が敏感に反応する選挙となるはずです。

すなわち、本音と理想との対立が、過去にないほど鮮明になっている現代社会を象徴する選挙になるのではないでしょうか。


バックナンバー(山久瀬洋二ブログ)

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 2.Twitterえーわー!

毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
間違いやすい英話や異文化コミュケーションのコツをお伝えしています。
中でもリツイートやお気に入りの多かったtweetをご紹介します。

【英語tweet】

People need proper silence when they speak Japanese. People need proper swiftness to maintain conversation when they speak in English.

【日本語tweet】

「間」という日本独特の考え方。英語に訳せばSpaceですが、言葉と言葉との間の「間」が長いのが日本語の特徴。その長い沈黙には英語を話す人たちは戸惑います。でも、日本語では「間」がないと趣がなくなります。そして英語では、間髪入れずに言葉を交わせば、活き活きとしたリズムが産まれます。


山久瀬洋二twitter はこちら

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 3.山久瀬洋二お薦めの一冊

今週のお薦めは、

「【日英対訳】東京居酒屋ガイド A Guide to Japanese Pubs and Izakaya」

です。

食事がおいしく、お酒も飲めるという日本の居酒屋のような形態は世界的にも珍しく、外国人観光客にとっては日本独特の文化として大人気!

本書は居酒屋の定番メニューや、マナー・注文の方法、そして東京の人気55店を日英対訳・写真付で紹介します。

新宿ゴールデン街特集付き!

【日英対訳】東京居酒屋ガイド
A Guide to Japanese Pubs and Izakaya
著者:島本慶&スキップ
価格:1,836円


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今回は、ここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週の「心をつなぐ英会話メルマガ」如何でしたか?

皆様のご意見・ご感想、ご質問・ご批判、お待ちしています。

See you next week !
また、読んでくださいねー。
さよならー。

発行者 山久瀬洋二
公式ブログ http://yamakuseyoji.com/
ご意見・ご感想等、お待ちしてます。
Email yamakuseyoji@gmail.com

山久瀬洋二お薦めの書籍

・対訳 TOKYO CITY GUIDE 観光客をもてなす極上のスポット

・留学の真実

・日英対訳 アメリカ医療ハンドブック

・1日10分 超音読レッスン「世界の名スピーチ編」【CD付】

・日本の酒 SAKE【日英対訳】


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