2015年1月6日火曜日

北朝鮮問題は「Chaotics」な時代の一つの事例

こころをつなぐ英会話メルマガ
今日の目次です。

1.ニュースなイングリッシュ
~北朝鮮問題は「Chaotics」な時代の一つの事例~

2.Twitterえーわー!
二カ国語で同じ意味を同時tweet!

3.山久瀬洋二お薦めの一冊
~留学の真実~

では、始まりです。

 1. ニュースなイングリッシュ

海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。

今週のテーマは、

「北朝鮮問題は『Chaotics』な時代の一つの事例」

です。


【海外ニュース】



More Sanctions on North Korea After Sony Case

訳:ソニーの事件をふまえ、北朝鮮にさらなる制裁を
(New York Timesより)


【ニュース解説】

2015年。100年前の1915年、世界は混沌の中にありました。

1914年の世界は、第一次世界大戦の真最中です。強国の多くがこの世界大戦を通して大きく変化しようとしていました。

ロシアでは、二年後に革命がおき、帝政から社会主義国家へと変貌しました。

トルコでも帝政が崩壊し、その傘下にあった中東各地では民族運動がおこり、大国の権益とからんで混沌が広がりました。現在の中東問題の原点となる環境が発症したのです。

そして、ヨーロッパでは1918年に長年ヨーロッパ社会を牽引していたオーストリアハンガリー帝国が消滅し、ドイツも革命でドイツ帝国が崩壊します。

極東はどうでしょうか。中国では1911年からはじまる辛亥革命で、清朝が倒壊しました。

その後、第一次世界大戦でドイツと戦争をはじめた日本は、混乱の最中にある中国のドイツの権益を押さえ込み、その権益の譲渡を1915年に中国側に要求。

これが、日中の対立へとつながり、最終的には満州事変や日華事変に続く第二次世界大戦での日本と中国との戦闘へとつながりました。

日本は、当時大戦での軍需景気で経済的には潤いますが、大戦が終わるやその逆風を受けて慢性的な不況に悩まされるのです。

それが、その後の日本の戦争への舵取りへとつながっていったことも周知の事実です。

一方そうした混沌の中、アメリカは、欧米の混乱の中で旧体制が崩壊するなか、世界最大の債権国へ成長し、世界のリーダーとなる経済力を培ったのです。

このように、100年前、世界は動乱の中にもがいていました。

そして、動乱の向こうには、その後の大恐慌や第二次世界大戦、冷戦から現在の世界情勢などにつながる様々な歴史の断面が見えてきます。

では、2015年はどうでしょう。

社会主義体制の崩壊から再生しようとするロシア。

そこにおきたウクライナ問題は、欧米と足並みをそろえるため、ロシアとの雪解けを模索していた日本の外交方針にも大きな影響を与えました。

さらにウクライナ問題は、そのままロシア経済を危機的な状況に追い込み、そこで発生したルーブルの下落は、世界経済にも波紋を広げています。

しかも日本は、いまだに100年前にはじまった日中の対立からくる確執に悩まされています。

中東では多くの国家が変化し、混沌や喧噪が続き、イスラム国の脅威や、アフガニスタンなどでの混乱の収集のメドはたっていません。

中国、インド、ブラジルなどの新興国とよばれる地域の政治経済動向もまだまだ未知数です。

アメリカは、この世界の混乱の中で長年維持してきたプレゼンスの保全に懸命です。

中南米での新たな秩序を目指し、キューバとの雪解けを積極的に進め、ロシアや中国との対立項の中で中東問題、アジアでの影響力の維持に懸命です。

そして、こうした状況の中で発生した北朝鮮とのサイバー戦争。

アメリカは極東での指導力の維持のために北朝鮮に強いボールを投げ続けます。

その中で、拉致問題などをどのようにハンドルするか、日本政府の舵取りが注目されます。

以上、ここに並べた素材を分析すれば、2015年を1915年と比較して世界の未来を予測する参考にすることがいかに有益か、わかると思います。

では、この複雑な世界情勢をどのように捉えるか。

ここで、マネージメント論など、経営関係の著作で知られるフィリップ・コトラーPhilip Kotlerの「Chaotics」という言葉を紹介しましょう。

「Chaotics」 とは、Chaosつまり混沌とした不安定な時代を示す造語です。

彼はそんな時代での経営のあり方について、この言葉をタイトルにした書籍で説いています。

同時多発テロ以降の世界がいかに予測不能な乱気流 turbulence の中にあり、そのことを常に意識した経営が必要だと説いているのです。

日本人はどちらかというとこうした「Chaotics」な状況への対応が苦手だといわれています。

あまりにもあらゆることに完璧を求め過ぎ、緊急事態や不測の事態への柔軟性、リーダーシップの取り方に問題があるからです。

今は、計画通り、または「こうあって欲しい」と考える通りに物事が進みにくくなる時代です。

ロシアと仲良くと思っても、北朝鮮とうまく交渉したいと思っても、自らとは一見無縁に思えるところから思わぬ横槍がはいり、そのために自らが望まない方向に政治や経済の舵がきられることも多くなるはずです。

2015年は、この10年間の経験に基づいて、「Chaotics」について、じっくりと取り組み、そうした時代に立ち向かうための様々な対策を産み出さなければならない年であるともいえそうです。

今年もよろしくお願いします。


バックナンバー(山久瀬洋二ブログ)

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 2.Twitterえーわー!

毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
間違いやすい英話や異文化コミュケーションのコツをお伝えしています。
中でもリツイートやお気に入りの多かったtweetをご紹介します。

【英語tweet】

See Japan from the world to identify the uniqueness of its culture. See our culture as part of global culture before finding the difference.

【日本語tweet】

この世界が大切だから、日本を大切にと思う発想が必要。日本を大切にという発想から、隣国そして世界を排除する発想に繋げるのは、グローバルな時代への逆行です。19世紀ならまだしも、我々が生きている世界には共通の利益が。だから、世界から日本をみて、自らの文化を大切にするべきなのです。


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 3.山久瀬洋二お薦めの一冊

今週のお薦めは、

「留学の真実」

です。

留学の最新情報と、成功の秘訣を教えます。

人気留学エージェント・高野幹生が、自身の留学体験と、仕事として多くの学生の留学に関わった体験をもとに、留学に関する有用な情報を厳選して伝授します!

留学のバリエーションや、目的別の最適な「留学」コースの選び方、費用や国毎の特徴などの最新情報と、エージェントだから知り得る「留学をめぐる周辺知識」などタメになる情報が満載。

当人はもとより、ご家族や学校の先生にも読んでいただきたい一冊です。

留学の真実
価格:1,782円
著者:高野幹生

《目次抜粋》

Part 1. 英語力をアップするには海外留学が一番の近道
Part 2. 高校留学の真実
Part 3. 語学留学の真実
Part 4. ワーキングホリデー、インターンシップの真実
Part 5. 海外の大学・大学院進学とディプロマの真実
Part 6. 留学準備と海外生活の真実

巻末資料1 おすすめ留学先「学校情報」
巻末資料2 文中の資料出典リスト
巻末資料3 留学の準備に役立つリンク先情報



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今回は、ここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週の「心をつなぐ英会話メルマガ」如何でしたか?

皆様のご意見・ご感想、ご質問・ご批判、お待ちしています。

See you next week !
また、読んでくださいねー。
さよならー。

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