では、始まりです。
海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。
毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
今週のお薦めは、
著者:黒田基子 価格:1,080円 中身はこんな感じ↓↓↓
今回は、ここまでです。
山久瀬洋二お薦めの書籍 | ||||||||||||
2015年1月27日火曜日
アメリカ流平等社会を目指すオバマのスピーチ
2015年1月20日火曜日
Post Clod War が産み出す『ロシア・ナショナリズム』
今日の目次です。 1.ニュースなイングリッシュ ~Post Clod War が産み出す『ロシア・ナショナリズム』~ 2.Twitterえーわー! 二カ国語で同じ意味を同時tweet! 3.英語で一言 ~未来志向で “Get over it and move on !”~ 4.山久瀬洋二お薦めの一冊 ~BUSHIDO : The Soul of Japan 英文版 武士道~ |
では、始まりです。
1. ニュースなイングリッシュ |
海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。
今週のテーマは、
「Post Clod War が産み出す『ロシア・ナショナリズム』」
です。
【海外ニュース】
Referendum was held in Crimea in full compliance with international norms.
Everything in Crimea speaks of our shared history and pride.
訳:クリミアでのロシアへの併合の是非を問う住民投票は、国際基準にのっとった管理のもとで実施された。
クリミアに関する全てのことがらは、我々に共通した歴史であり、プライドなのだ。
(ウラジミール・プーチン大統領の2014年5月21日、クリミアの併合にあたってのスピーチより)
【ニュース解説】
日本では、アメリカからの情報はよく流れてきます。
しかし、中国やロシア、そして他の国々からの情報は、その気にならない限りなかなか入手できません。
例えば、ウクライナ問題を考えるとき、それはロシアの誤った行為ととられ、日本も完全に西側の世論に加わっていることから、ロシアが悪で、西側が善、そしてウクライナはその善と悪との間に挟まれた悲しい犠牲者というステレオタイプな図式を信じている人が多くいるはずです。
前回、patriotism と fundamentalism とが融合しつつある危機について、パリでの事件を元に解説しました。
Patriotismの高揚。それはロシアでも例外ではありません。
ウクライナ問題の一つである、クリミア半島のロシアへの併合は、それを煽り、多数のロシア人の支持によって断行されました。
ここで紹介した、プーチン大統領の2014年5月の演説は、クリミア半島が元々ロシアが投資し、ロシアの活動拠点であった場所であり、黒海へ展開するロシア帝国の艦隊の基地でもあったと強調し、国民の拍手喝采をあびました。
確かに、クリミア半島は、ソ連の時代、ロシアもウクライナも同じ主権で動いていた時代に、ソ連共産党のイニシアチブでウクライナ共和国に管理をさせた地域でした。
しかしソ連が崩壊し、ロシアとウクライナが異なる主権国家となった現在、元々の「両親」であったロシアに戻すべきだというのがプーチンの主張の背景にはあるようです。
ロシアとしては、こうした過去の縺れた糸を正視し、クリミア半島が自国のものであることを、理解して欲しいと国際社会に訴えようとしたのです。
東西冷戦は、ソ連の崩壊により、アメリカの勝利で終息しました。
ソ連崩壊のあとの混乱の中で、ロシア経済は低迷し、国内の民族運動への抑圧や、その結果として発生したテロ行為などで、社会は大きく揺れました。
プーチン大統領が、そうしたロシアを強いロシアへと変貌させようと、権力闘争を進めながらも、国内ではナショナリズム煽ってきたことは事実です。
アメリカには、そうしたロシアの一挙一動が、依然アメリカの傘の下にある西側諸国にとっての脅威と映ります。
従って、アメリカは、プーチン大統領のこうした行為を国際社会への挑戦として排除し、批判しようと西側の同盟国を使い、世論も含め包囲網を狭めていったのです。
去年おきたマレーシア航空砲撃事件は、そんな思惑への絶好の材料となりました。
Patriotism が敗退的な fundamentalism へと傾斜してゆくとき、必ずあるのが、一つの国家や民族が追い詰められてゆく現象です。
そして、過激な nationalism が、丁度ウイルスに毒性が加わるように fundamentalism へと変化し相手に伝染することもあります。
一方の nationalism に相手が対抗し、相手方にも nationalism を醸成し、お互いを排除しはじめるのです。
双方が刺激し合いながら過激な排他主義への傾斜がはじまるのです。
西欧とイスラム社会、極東での日本と周辺国、今回取り上げたロシアとウクライナなど、過去の縺れた紐どうしがきしみ合う中で発火するプロセスは、世界に共通した事実といえましょう。
また、別の視点でみるならば、歴史的事件や戦争での勝者は過去にこだわらず、敗者は過去にこだわる傾向があることも知っておきたいものです。
冷戦の敗者となったロシアは、クリミアの過去にこだわり、それを併合し、国民の patriotism、そして nationalism を刺激したのです。プーチン大統領のこの演説は、そうした政治的意図を象徴したものといえそうです。
こうした課題を乗り越える一言、それが英語でよく使用される tolerance、すなわち「寛容」という言葉です。
お互いの歴史やいきさつへの寛容性が機能しなくなりつつある昨今こそ、国際政治の場で、双方の当事者が、この言葉の意味をもう一度見直す必要があるはずです。
この課題、来週もアメリカ西海岸から、さらに続けます。
バックナンバー(山久瀬洋二ブログ)
2.Twitterえーわー! |
毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
間違いやすい英話や異文化コミュケーションのコツをお伝えしています。
中でもリツイートやお気に入りの多かったtweetをご紹介します。
【英語tweet】
Japanese love the expression of “a little bit” when they need to say something really serious. It’s their direct translation from Japanese.
【日本語tweet】
英語に慣れるまで maybe やa little bitといった表現は要注意。「多分」という曖昧な表現や、「少し心配」といった意味で深刻なことを語るのは日本人ならではの癖。Maybeやlittle bitはをれを直訳したもの。削除して真剣な、時には深刻な表情で意思を伝えましょう。
山久瀬洋二twitter はこちら
3.英語で一言 |
今回のテーマは、
「未来志向で “Get over it and move on !”」
です。
未来志向のアメリカ人。過去にこだわり、過去の問題の責任をまずはっきりさせてから未来に進むことをよしとする日本などアジア人と、この意識の違いがビジネスなどで摩擦を産み出すことがよくあります。
もともと未来を築くために移民として新大陸にやってきた人が集まるアメリカでは、過去をとやかく言ってもはじまらないという発想が育って当然です。
しかし、脈々と長い歴史を積み上げてきた国々では、過去へのプライド、さらには過去への執着が発想の土台にあるのも、これまた当然です。
過去があって、現在があり、そして未来があると考えるとき、そのどこに重きをおくかは文化によって異なるのです。
アジアの人々は多くが過去に重きをおき、アメリカや英語圏の人の多くは未来により興味を抱きます。
ですから、例えばビジネスの会話などで、我々が、過去におきたミスや問題をまず徹底的に検証しようという姿勢をとっても、相手はそれほど熱意を持って対応せず、こちら側はなんて無責任なんだと思ってしまうことがよくあるのです。
そして、その怒りを相手にぶつけても逆効果。却ってお互いのモチベーションに水をさしてしまうのです。
Get over it and move on. そうした彼らの意識を象徴しているこの一言。
「過去は過去、克服して前に進もう」というわけです。
この一言、逆に考えれば、相手が何か失敗したときに、元気づける一言として使ってみるのも一案です。
それでは、また。
4.山久瀬洋二お薦めの一冊 |
今週のお薦めは、
「BUSHIDO:The Soul of Japan
英文版 武士道」
です。
現在でも日本人の心を知ろうとするとき、真っ先に読まなければならない必読書とされている「Bushido」。
大きな活字と難解単語の語注つきです。
新渡戸稲造が、日本人の道徳観の核心となっている「武士道」について、神道や仏教あるいは儒教の精神を典拠としつつ、西欧の哲学や騎士道と対比しながら、日本人の心のよりどころを世界に向けて解説した名著。
戦前の国際連盟事務局次長を務めた責任感から、日本人を世界に広く知ってもらおうとして自ら英文で書いたものであり、現在でも日本人の心を知ろうとするとき、真っ先に読まなければならない必読書とされています。
当時の米国大統領セオドア・ルーズベルトも『武士道』を読み感激した一人です。
外国人はもちろん、大きな活字と難解単語の語注つきだから、日本人にも読みこなせる一冊です。
英文版武士道
著者:新渡戸稲造
価格:1,512円
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週の「心をつなぐ英会話メルマガ」如何でしたか?
皆様のご意見・ご感想、ご質問・ご批判、お待ちしています。
See you next week !
また、読んでくださいねー。
さよならー。
2015年1月13日火曜日
パリの惨劇の背景とは。PatriotismとFundamentalismの狭間で
では、始まりです。
海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。
毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
今週のお薦めは、
著者:浦島久 価格:1,944円 著者「はじめに」より↓↓↓ 『最近、自分が直接教えている多くの初級者に共通するある問題点に気が付きました。 当然と言えば当然なのかもしれませんが、それは質問に対してひと言でしか返すことができない、ということです。 中には Yes とNo だけを繰り返しているだけの生徒もいます。 これではなかなか英語を話せるようにはなりません。 そこで考えついたのは、「3行で話すようにしよう!」というアイデアです。』 今回は、ここまでです。 | ||||
2015年1月6日火曜日
北朝鮮問題は「Chaotics」な時代の一つの事例
今日の目次です。 1.ニュースなイングリッシュ ~北朝鮮問題は「Chaotics」な時代の一つの事例~ 2.Twitterえーわー! 二カ国語で同じ意味を同時tweet! 3.山久瀬洋二お薦めの一冊 ~留学の真実~ |
では、始まりです。
1. ニュースなイングリッシュ |
海外のメディアで報じられたニュースを解説します。日本のマスコミではあまり報じられない切り口で、本当はどういう意味で報じられているのかを私見を交えてお伝えします。
今週のテーマは、
「北朝鮮問題は『Chaotics』な時代の一つの事例」
です。
【海外ニュース】
More Sanctions on North Korea After Sony Case
訳:ソニーの事件をふまえ、北朝鮮にさらなる制裁を
(New York Timesより)
【ニュース解説】
2015年。100年前の1915年、世界は混沌の中にありました。
1914年の世界は、第一次世界大戦の真最中です。強国の多くがこの世界大戦を通して大きく変化しようとしていました。
ロシアでは、二年後に革命がおき、帝政から社会主義国家へと変貌しました。
トルコでも帝政が崩壊し、その傘下にあった中東各地では民族運動がおこり、大国の権益とからんで混沌が広がりました。現在の中東問題の原点となる環境が発症したのです。
そして、ヨーロッパでは1918年に長年ヨーロッパ社会を牽引していたオーストリアハンガリー帝国が消滅し、ドイツも革命でドイツ帝国が崩壊します。
極東はどうでしょうか。中国では1911年からはじまる辛亥革命で、清朝が倒壊しました。
その後、第一次世界大戦でドイツと戦争をはじめた日本は、混乱の最中にある中国のドイツの権益を押さえ込み、その権益の譲渡を1915年に中国側に要求。
これが、日中の対立へとつながり、最終的には満州事変や日華事変に続く第二次世界大戦での日本と中国との戦闘へとつながりました。
日本は、当時大戦での軍需景気で経済的には潤いますが、大戦が終わるやその逆風を受けて慢性的な不況に悩まされるのです。
それが、その後の日本の戦争への舵取りへとつながっていったことも周知の事実です。
一方そうした混沌の中、アメリカは、欧米の混乱の中で旧体制が崩壊するなか、世界最大の債権国へ成長し、世界のリーダーとなる経済力を培ったのです。
このように、100年前、世界は動乱の中にもがいていました。
そして、動乱の向こうには、その後の大恐慌や第二次世界大戦、冷戦から現在の世界情勢などにつながる様々な歴史の断面が見えてきます。
では、2015年はどうでしょう。
社会主義体制の崩壊から再生しようとするロシア。
そこにおきたウクライナ問題は、欧米と足並みをそろえるため、ロシアとの雪解けを模索していた日本の外交方針にも大きな影響を与えました。
さらにウクライナ問題は、そのままロシア経済を危機的な状況に追い込み、そこで発生したルーブルの下落は、世界経済にも波紋を広げています。
しかも日本は、いまだに100年前にはじまった日中の対立からくる確執に悩まされています。
中東では多くの国家が変化し、混沌や喧噪が続き、イスラム国の脅威や、アフガニスタンなどでの混乱の収集のメドはたっていません。
中国、インド、ブラジルなどの新興国とよばれる地域の政治経済動向もまだまだ未知数です。
アメリカは、この世界の混乱の中で長年維持してきたプレゼンスの保全に懸命です。
中南米での新たな秩序を目指し、キューバとの雪解けを積極的に進め、ロシアや中国との対立項の中で中東問題、アジアでの影響力の維持に懸命です。
そして、こうした状況の中で発生した北朝鮮とのサイバー戦争。
アメリカは極東での指導力の維持のために北朝鮮に強いボールを投げ続けます。
その中で、拉致問題などをどのようにハンドルするか、日本政府の舵取りが注目されます。
以上、ここに並べた素材を分析すれば、2015年を1915年と比較して世界の未来を予測する参考にすることがいかに有益か、わかると思います。
では、この複雑な世界情勢をどのように捉えるか。
ここで、マネージメント論など、経営関係の著作で知られるフィリップ・コトラーPhilip Kotlerの「Chaotics」という言葉を紹介しましょう。
「Chaotics」 とは、Chaosつまり混沌とした不安定な時代を示す造語です。
彼はそんな時代での経営のあり方について、この言葉をタイトルにした書籍で説いています。
同時多発テロ以降の世界がいかに予測不能な乱気流 turbulence の中にあり、そのことを常に意識した経営が必要だと説いているのです。
日本人はどちらかというとこうした「Chaotics」な状況への対応が苦手だといわれています。
あまりにもあらゆることに完璧を求め過ぎ、緊急事態や不測の事態への柔軟性、リーダーシップの取り方に問題があるからです。
今は、計画通り、または「こうあって欲しい」と考える通りに物事が進みにくくなる時代です。
ロシアと仲良くと思っても、北朝鮮とうまく交渉したいと思っても、自らとは一見無縁に思えるところから思わぬ横槍がはいり、そのために自らが望まない方向に政治や経済の舵がきられることも多くなるはずです。
2015年は、この10年間の経験に基づいて、「Chaotics」について、じっくりと取り組み、そうした時代に立ち向かうための様々な対策を産み出さなければならない年であるともいえそうです。
今年もよろしくお願いします。
バックナンバー(山久瀬洋二ブログ)
2.Twitterえーわー! |
毎日、英語と日本語で同じことをつぶやいてます。
間違いやすい英話や異文化コミュケーションのコツをお伝えしています。
中でもリツイートやお気に入りの多かったtweetをご紹介します。
【英語tweet】
See Japan from the world to identify the uniqueness of its culture. See our culture as part of global culture before finding the difference.
【日本語tweet】
この世界が大切だから、日本を大切にと思う発想が必要。日本を大切にという発想から、隣国そして世界を排除する発想に繋げるのは、グローバルな時代への逆行です。19世紀ならまだしも、我々が生きている世界には共通の利益が。だから、世界から日本をみて、自らの文化を大切にするべきなのです。
山久瀬洋二twitter はこちら
3.山久瀬洋二お薦めの一冊 |
今週のお薦めは、
「留学の真実」
です。
留学の最新情報と、成功の秘訣を教えます。
人気留学エージェント・高野幹生が、自身の留学体験と、仕事として多くの学生の留学に関わった体験をもとに、留学に関する有用な情報を厳選して伝授します!
留学のバリエーションや、目的別の最適な「留学」コースの選び方、費用や国毎の特徴などの最新情報と、エージェントだから知り得る「留学をめぐる周辺知識」などタメになる情報が満載。
当人はもとより、ご家族や学校の先生にも読んでいただきたい一冊です。
価格:1,782円
著者:高野幹生
《目次抜粋》
Part 1. 英語力をアップするには海外留学が一番の近道
Part 2. 高校留学の真実
Part 3. 語学留学の真実
Part 4. ワーキングホリデー、インターンシップの真実
Part 5. 海外の大学・大学院進学とディプロマの真実
Part 6. 留学準備と海外生活の真実
巻末資料1 おすすめ留学先「学校情報」
巻末資料2 文中の資料出典リスト
巻末資料3 留学の準備に役立つリンク先情報
今回は、ここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週の「心をつなぐ英会話メルマガ」如何でしたか?
皆様のご意見・ご感想、ご質問・ご批判、お待ちしています。
See you next week !
また、読んでくださいねー。
さよならー。